2014年12月5日金曜日

ちゃんぽん長崎

フードコートと称するスーパーの地下1階の飲食店が集まった一角で、長崎ちゃんぽんを食べていた。

子供が泣いていた。3歳にも満たないくらいの女の子。その側で母親とその友人(?)の女性二人が気にせず談笑している。女の子はソファの上によじ登ったところを無理やり下ろされて叱られ、不機嫌になっているのだ。どうやったらその子に、なぜソファに登ったらいけないか納得させることができるのか、僕には分からない。

女の子は警報を鳴らすように、泣き叫んではやめ、泣き叫んではやめを繰り返した。わたしはいま絶望している!と全生命を使って表現していた。すぐに、別のことに興味が移って、ころっと泣くのをやめたとしても(実際にやめたのだけれど)、その瞬間のその泣きは妙に心を打つものがあった。

となりで英語の参考書を開いて、ルーズリーフに英文を書き写していた男子高校生も心を動かされていたに違いない。
いたたまれなくなった彼は、席を立って長崎ちゃんぽんを買ってきたくらいだから。

フードコートの上の階では、クリスマスカードが並べて売られていた。
こっちのカードは、ボタンを押すときよしこの夜。
こっちのカードは、ボタンを押すとJoy to the world。
子供たちが群がっているところでは、ありのままで〜が流れていた。

クリスマスにはいい思い出がない。が、悪い思い出もない。
ふつうの思い出ならいくつかある。

とりあえず、これからしばらくは、クリスマスにしか興味がない(といってみる)。