暑さ寒さは一進一退するが、薄汚れた残雪はもう戻ってこない。
朝、駅に向かう途中に、雪とたわむれる小学生たちを見るのはなかなか楽しかった。2、3人で雪を踏み踏み楽しげに登校する少年少女。一方で、道の端に積み上げられ、氷のように固くなってしまった雪に、いらだたしげに蹴りを入れながら歩く少年。僕にもこんな時があったんだ、と思ってみたりもする。
キックキックトントン、キックキックトントン…
『雪渡り』は宮沢賢治の童話のなかでもかなり好きな作品だ。
賢治特有の擬音の使い方はさることながら、その独特なリズムにのせられて読んでいくと、小さな兄妹が狐の子供たちと楽しく会話するかわいらしい姿が浮かび上がってくる。
しみ雪しんしん、かた雪かんかん。
雪を踏みしめながら歩くとき、キックキックトントンと口ずさみながら(心の中で)歩くのが僕の定番のスタイルなのだが、そういえば今年はすっかり忘れていた。
今年、東京に降った雪は記録的なもので、かつ直後に雨が降るような目茶苦茶なものだった。その雪の影響をもろに受けた僕は(予定のキャンセル、動かなくなった電車内で一泊…)、そんなこと思うような余裕がなかったのかもしれない。
もっとも、固くなった雪が溶けることもなく、そのうえに新たに雪が降り積もっていく東北の雪と東京の雪は全然違うのだろうけれど。
東京では今、雨が降っている。
0 件のコメント:
コメントを投稿